早稲田
この春、大学を卒業した。
うだつの上がらない四年間だった。
サークルも、輪からちょっとはみ出したところにいた。
「なんでこんなに頑張って資源ゴミを作っているのか」と思いながら卒論を書いた。
卒業式も出なかった。
それでもゼミの先生には感謝していたから、長いメールを送ったけど
返信はたったの1行だった。
それでも四年間毎日歩いた通学路を卒業するのは、ちょっと寂しい。
富士見坂から光化学スモッグのなか、霞んで見える新宿のビル群
自分の居場所をちゃんと知っている野良猫たち
春は桜が咲き、夏は生臭い神田川
美しいなあ。
私の通学路。
むくんだ顔した私を送り出し、疲れた顔した私を迎えてくれた通学路。
若さを無駄にできるくらい若かったのだと、もう少し経ったら思えるかな。